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本能のまま愛す
第1章 入浴介助
「お湯加減どうかしら少しぬるいですか」

「いや、ちょうどいいよ百合子さん。ありがとう」

「良かった。具合悪くなったらすぐに呼んでくださいね。ベッド整えてきますから。」

百合子は入浴や食事など高齢者宅へ訪問し介助するホームヘルパーの仕事をしている。義父の介護をしていた時に資格を取ったが、その義父も亡くなり待っていたかのように夫から離婚届けと慰謝料と家をもらったため生活には困らなかったが心はいつも寂しく、自分でも役にたてる事があるのならとヘルパーの登録をしたのだ。

今日の訪問先は息子と2人暮らしの75才の男性宅。脳梗塞から入浴するには介助が必要だが手すりがあればゆっくり歩けるくらいに回復している。百合子が訪問するのは月に一度だけだが、老人は優しく美しい百合子が来ることをいつも楽しみにしている。

「そろそろ体洗いますね。」

「ああ、頼むよ。」
百合子はTシャツに短パンというスタイルで老人を支えながらゆっくり湯船から上がらせイスに座らせる。
老人は必要以上に百合子の体に密着するためTシャツは濡れて下着が透けてしまうが百合子はいつものことで慣れているためまったく気にした様子はない。
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