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本能のまま愛す
第4章 竜也とソファーで再び…
百合子はウォシュレットで股関を洗い流し、服を整えるとドアの外へ出る。
店内は間接照明だけが灯りBGMにジャズが流れていた。

「おいで」
タバコを吸いながら先ほどのソファーに座った竜也が優しく手を伸ばし、隣に座るようにうながす。

「何飲む?のど乾いたでしょ。」

「お水をいただきます。あとスコッチをもう一杯飲みたいです…あの、お支払いしますので…。」

「あはは。君は律儀だね~初めて会った男に強引に抱かれて中出しされたのにお金まで払うって」 

「強引だなんて…親切にしていただいて。それに…」

「それに?」

「……」


恥ずかしそうに下を向いてしまった百合子にそれ以上問いたださず、頭を優しく撫でるとカウンターの奥へ行ってしまった。
竜也がすぐに戻らなかったため、自分が不快にさせたのだろうかと不安になり思わず立ち上がって振り向くと、飲み物を持った竜也がこちらへ向かって歩いて来るところだった。

「どした?」
急に立ち上がり悲しそうな表情を浮かべる百合子に話しかける。

「ごめんなさい…不安で…」

「え?」

「竜也さんに…嫌な思いをさせたかと…」

「まさか!すぐに戻らなくてごめんよ。君が可愛すぎて、あのままじゃまた襲ってしまいそうで頭冷やしてた。あはは!」

「あっ…」
顔を赤くした百合子は安心してソファーへ座り、水を口にした。

「乾杯しようか。二人の出逢いに。」

二つのグラスがぶつかり小さな音をたてた。


二人は少しずつお互いが置かれている環境を話した。
百合子はお見合いで1度結婚したが子供はできず、義理の父親の介護をし5年間看ていたが他界。そして離婚して1年が経つ。介護経験を活かしてヘルパーの仕事をし、店の近くに週に1度来るのだと言う。

竜也は大学時代にバイトしていた店にそのままバーテンとして就職、オーナーに気に入られ都内で店を任されていた。去年世話になったフランス人の老夫婦から家を譲り受けた。改装してBarにしたが、外観や庭は以前とまったく変えていないのだという。それがこの『雫』という店だった。
年齢は42才で独身。自由人の自分にはこの生活が楽しく結婚は考えていないとも話した。

「勘違いしないでね。女の子は大好きだから!あはは。特定の女は作らないってだけ!って言うと、たいがい軽蔑されるけどね。まぁこれが俺だから仕方ない。」
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