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第31章 ピアス　～優華～

「まだ間に合うから、ちょっと急ごう。」



ホテルを出て、車を走らせる。

健一は、どこに行くのか教えてくれない。

車の窓には、海が広がっていた。



「到着です。どうぞ、姫。」



車のドアを開けると、健一が手を取った。

そこは、海辺のホテルだった。

屋上のレストランに連れて行かれた。



「予約の中西です。」



「お待ちしておりました。どうぞこちらへ。」



通されたのは、半個室の、海の見える窓辺の席だった。



「わざわざ予約してくれてたの？」



「うん。今日は、特別な日だからね。

姫とゆっくり過ごしたくて、奮発しました～～～。」