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月 ~優香~
第6章 覚悟  ~優香~
「私、今、本を読んでいるの。

週末まではここにいるわ。

また、その気になったら声をかけてちょうだい。

ドリンク。ありがとう。

直也さん。」




もしこの男が、本当に私と晃との終わりを告げに来たのなら、また、会えるに違いない。


私がこの街にいる間に、またこの男に会うことになったら、

その時こそ、覚悟をしよう。


その時は、晃を解放してあげよう。


そして私も、新しい人生をスタートさせよう。



私は、ずるい。


自分で決めることが出来なかった。


直也の行動にかけてみよう。


そんなことを考えていた。



次の日、直也はそのバーに来た。

時々視線を感じたが、声をかけてくることはなかった。

そして、違う女と店を出て行った。




私は、少しホッとした気持ちと、
チャンスを逃したような複雑な想いに襲われた。




その日、ホテルに帰って、晃に電話した。


「晃さん?

昨日からこっちに来てるの。会える?」


「いいよ。明日ホテルに行くね。」


「ううん。外で会いたい。バーに来て。」


「わかった。明日ね。」



晃は、いつも通り、嫌とも言わず、私の誘いを受けてくれる。




本当は、困ってるくせに。。。


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