パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第6章 覚悟　　～優香～

その日。

いつものように、バーで本を読む。


晃はすぐに来た。

相変わらず、律儀な人だ。

私は、本から目を離すと、晃に微笑んだ。

晃に甘えてしまいたい気持ちを抑え、本に視線を戻した。



晃は、きっと私が誘えば、部屋に来るだろう。

私が誘えば、抱いてキスをくれる。

私がせがめば、その最高の笑顔で、「愛してる。」と言ってくれる。

そして、愛の証をくれる。



でも、私も晃も、それがその場だけのまやかしであることを知っていた。


「またね」
っと言って、ホテルのドアを閉めると、山のような後悔が、押し寄せてくることをわかっていた。

そしてまた一カ月、
後悔と孤独の日々が続くのだ。



私は、晃をホテルに誘うことを、迷っていた。。


晃も同じように戸惑っていた。


いつものように私が誘わないことを、少し安心した表情で、一つ隣の席に座った。