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月 ~優香~
第15章 記憶
俺は美穂について歩いた。

歩きながらも、頭には、あの時の光景がはっきりと思い出される。


美穂が立ち止まる。



「直也君。」



振り返り、俺の手を取ろうとした。

俺は思わず、その手を引っ込めた。



美穂は、悲しそうに俯いた。



「私、転校することになったの。」


「そう」


俺は、それだけ言うと、踵を返した。


美穂をその場に置き去りにして、振り向くこともしなかった。


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