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写性 …SHASEI…
第12章 芍薬
「沙絵の絵を飾るよ。」

僕は隠し部屋に沙絵を入れた。

「お父様、これはお母様?」

沙織の裸婦画を見て沙絵が言う。

「そうだよ。大学時代に描いたんだ。」

「私も大人になったら、お母様みたいになるの?」

「そうだね。沙絵の方が美人さんになるんじゃないかな?」

「お父様、待っててくれる?」

「ああ、もちろんだよ。
沙絵は沙織の写真とか見たことはないの?」

「うん、ない。」

「僕もこの絵しか持ってないんだ。」

「お母様って優しそうね。」

「ああ、優しいよ。僕が絵を描きたいというのを応援してくれたんだ。

そうしたら僕と結婚できないかもしれないのにね。

それでも絵を描くのを辞めちゃだめだって、言ってくれたんだよ。」

「それで私の本当のお父様と結婚したの?」

「そうだね。お祖父様との約束だったらしい。」

「お母様はゆう君と結婚したかっただろうね。」

「たぶんそうだろうね。でも、僕がやりたいこと、絵描きになりたいことのために応援して、お祖父様との約束を守ったんだ。」

「私が大人になったらね。お父様と結婚する。」

「そんな風に考えなくていいんだよ。沙絵。」

「お父様は沙絵を愛してないの?沙絵じゃだめなの?」

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