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第8章 夏祭の手伝い ー清算取引ー

♪ピッ・ピッ・ピッ・ピーーー
Ｂグループのレースが始まった。

飛び出したのは、七三分けの男と茶髪の青年
その後ろに、あの肉屋の店主マー坊
デットヒートを繰り広げながら進む、七三と茶髪
余裕の表情のマー坊が、春香と育美に気付き、手を振る
「春香さん、こっちに手振ってますよ」
”すごい余裕ね...”
第２コーナーを過ぎ、茶髪が一つ前に出た
Ｓ字に入り、マー坊が七三を抜く
最終コーナーで、茶髪のインコースから、マー坊が抜き出る
もう一度差す茶髪
最後の直線で並ぶ、茶髪とマー坊
「うぉぉーー」
雄たけびを上げ、ラストスパートをかけるマー坊
茶髪も必死にペダルをこぐが、どんどん引き離される
マー坊は、大差で勝利した。

観客に向かい、手を振るマー坊
仲間と思われる、ヤンキーファッションの連中から、歓声が上がる中
「調子のんじゃねぇ」「このすけこましっ」「金返せ」
等々のブーイングが起こる
それでも構わず、春香と育美に、笑顔で手を振るマー坊
”すごい悪役ね”
強靭なマー坊の心臓に、ただただ呆れる春香だった。
...

いよいよ、Ｃグループのレースが始まろうとしていた
すると、マー坊とその仲間達が、スタート地点に集まってきた
「おい、お前らぜってー勝てよ」
マー坊が、レース参加者の男２人に声を掛ける
坊主頭とリーゼントの男、どうやら、マー坊の仲間らしい
「気合い入れてけよ」
「おぉー」
気合いを入れ、盛り上るマー坊率いる、ヤンキー軍団

そこへ、総士がスタート地点に現れた
「きゃー」
館内に、黄色い歓声が沸き起こった
「総士君！かっこいい～」
「こっち向いて～」
「私を抱いて～」
20人近くの女性が、総士に向けて歓声を上げている
...
「元教え子、すごい人気ですよ」
育美が春香に話しかける
「そっそうね」
あっけにとられる春香
「えっあの子が、春香さんの元教え子？..イケメンじゃないですか」
目を輝かせる聡美

『それではＣグループ、スタートです！』
大泉のアナウンスが流れる
...
♪ピッ・ピッ・ピッ・ピーーー