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Desire ~女教師に向けられた欲望~
第10章 夏の夜の奇跡 ー自慰夢想ー
エアコンが止まった事により、車内の温度は徐々に上がってきた
春香の体が汗ばんでいく、そして、安部の額にも汗が浮き出てくる
それでも安部は、奇跡を信じ、暑さに耐えるのだった。

”あついっ!まだか”
ひたすら奇跡を待つ安部
「んっんーー」
春香の右手が動いた
”きたっ”
期待に胸膨らます安部
額の汗を拭う春香、そして右手が落ち.....たっ!!
「あれっ」
意気消沈の安部は、暑さに耐えきれず
エアコンをつけ、車を走らせた。

車は渋滞を抜け、海野家へと真っ直ぐと進んでいた
海野家は、駅から離れた高台にあり、片側1車線の道が通っている
その通りには、雑木林が続いていて、住居も少なく、小さな店が数件しかない
目立つのは、ラブホテルのネオンぐらいのものだった
信号も少ないため、車は快調に海野家へと進んでいた。

♪ポーン もうじき目的地です
カーナビの音が、車内に響いた
”ああ、奇跡は起きなかったか”
残念がる安部の目に、赤い光が入って来た
それは、パトランプだった
”んっ!事故か?”
パトカーのいる所まで進み、車を止める安部、すぐに警官が寄ってきた
窓を開ける安部
「通り抜けの方ですか?」
警官が訪ねてきた
「いや、上に家があるんですけど」
「困りましたね、この先でトラックが横転して、道を塞いでしまってるんですよ」

どうやら、トラックがスピードの出し過ぎで、カーブを曲がりきれず横転したようだ
レッカー車は、祭りの渋滞にハマっていて、着くまで20分以上かかるらしい
警官が言うには、上に行くには、この道しかない為、一度下に戻るしかなく
そして、大通りに出て、反対側の登り口まで進み、上がらなければならない
しかし、大通りは渋滞、おそらく40分以上は余裕でかかるとの事
安部は、後ろからついて来ていた、代行屋の茶髪のパートナーと話し合い
ここで待つ事にした
その決断が、これから起こる、大きな’奇跡’を呼ぶのだった。
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