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君へ贈る愛の唄
第3章 金縛りの夜

翌朝。
鼻歌を歌いながら、母さんはキッチンに立っていた。

長い黒髪を後ろで束ね、白いレースのエプロン姿。


なんで、そんなに可愛いんだろう。

「…おはよ」

「あら、おはよう拓也。今日はいつもより早起きなのね?」

その、こぼれんばかりの笑顔が罪作りだ。

「まあね…」

あんな悩ましい声を聞かされて、眠ってなんかいられるかよ。


はぁー。まいったな、しかし。
なんだか今日は、やけに意識してしまう……。
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