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君へ贈る愛の唄
第3章 金縛りの夜
朝食を食べながら私は拓也に言った。
「ねえ…なんだか今日の拓也、変」
「…別に変じゃない」
「そうかしら?」
私にはわかるわ。
拓也は何かを隠してるって。
まぁお年頃だから、いろいろあるんだとは思うけど、目も合わせてくれないなんて…。
すると、不意に拓也が言った。
「今日授業休むから、どこか連れてってやろうか?」
「えっ!…でも、いいの?」
「ああ。最近バイトが忙しくて、母さんとどこへも出掛けられなかったしさ」
思いがけない拓也からの誘い。
ぶっきらぼうなところもあるけど、本当は母親思いの優しい子なのだ。
「じゃあ、動物園へ行きたい!」
私は迷わず答えた。