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君へ贈る愛の唄
第6章 ♪高鳴る
拓也side
1週間後。
オレは良太と学食にいた。
「拓也、どうなった?」
「え?」
「お母さんの事だよ。ちゃんと気持ち伝えたのか?」
良太がカレーを食べながらオレに聞いた。
「いや、まだ」
「そっか。でも俺、つくづくおまえがうらやましいな」
「なんで?」
「そりゃそうだろう。好きな人と毎日、ひとつ屋根の下で暮らしてるんだから」
「それはそうだけど」
「まあ俺の当面の楽しみは、来週彼女とユニバへ行くことだな。
彼女去年からホラーナイトにハマってさぁ。今年は仮装して行くって、張り切ってんだ。俺は絶対しない!って言ってるけどね。ははは」
「いいじゃん」
オレには、普通の恋愛をしている良太がうらやましいと思う。
母さん
オレはいつまでも子どもじゃない。
オレがいつも母さんをどんな目で見ているか
知らないだろう……?