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君へ贈る愛の唄
第6章 ♪高鳴る
風邪の具合も、すっかり良くなった今日。
私は高校で仲良くなった友達、宮本律子(ミヤモトリツコ)の家に遊びに来ていた。
「彩音〜久しぶりぃ!」
「律子の結婚式以来だもんね。やっと会えて嬉しい」
律子は結婚7年目の、すてきな奥さんだ。娘のハナちゃんはちょうど幼稚園に行っている時間。
私達はお茶をしながら、いろいろな話をした。
「ところで彩音。再婚は考えてないの?」
「えっ」
高校時代、律子は私と修二さんの恋愛を知り、温かく応援してくれた。
結婚する踏ん切りがついたのも、彼女の後押しがあったからだ。
「息子さんだって、もう手が離れたんだし。そろそろ自分の幸せを考えてもいいんじゃないかな?」
「…確かに今まで、無我夢中で子育てをしてきたわ。修二さんが亡くなってからは特に、周りの目に負けないよう、いい母親になろうとがんばってた」
「彩音はもう十分やったわよ。誰にでもできる事じゃない。一人でつらい事、いっぱいあったでしょうに…」
再婚……?
自分の幸せ……?
いくら考えても、何も思いつかない。
ただ
拓也の笑顔だけが浮かんだ。