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君へ贈る愛の唄
第13章 新たな関係
突然響いたその声に、ピクッと私の肩が揺れた。
今のは……聞き間違いよね?
まさかこんな所に、拓也がいるわけないもの。
だけど、目を向けた先には……
スーツ姿の拓也がいた。
「えっ…」
あまりに信じられなくて、呆然とした。
「あんりちゃん、一体誰なんだい?」
不審そうにに聞くお客さんの声も、
「ねえあの人、あんりさんの彼氏かしら?」
周りのヒソヒソ話さえも私の頭に入らない。
「ほら母さん、迎えに来たよ。早く立って」
「た、拓也どうしてっ」
きょとんとする私の手を握る。
ただ…
「もう離さないからな」
見上げる拓也の目は力強く、とても優しかった。