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おなとも!
第3章    
 おばさんの発言で確信を得たことだが、ホワムーはいままでの人生16年間で一度も友達と呼べる存在の人間が居なかったようだ。
 “一緒にオナニー出来る友達が欲しい”という彼の高すぎる理想を叶えてくれる逸材に出会えなかったのであろう。
 逆に言えば彼の理想を叶える可能性が1%でも存在する私って一体・・・。


 ホワムーはお手伝いさんと予測されるおばさんの猛烈な慌てっぷりをものともせず、大理石の上にぴかぴかのローファーを脱いで揃えると、何事もなかったかのように廊下の奥に存在する螺旋階段を上りはじめた。
 私も遭難しないよう必死になって背中を追う。

 2階へ到達すると、ホワムーは広い廊下を挟むかたちで2つずつ存在するドアのうち、一番手前のドアの前で足を止めた。
 
「ここが、オカモト君の部屋?」

 聞いてから、少し後悔した。
 なぜなら宅内だと言うのにドアには4つも立派過ぎる施錠が取り付けてあったためだ。

「そうだけどぉ?」

 ホワムーは制服ズボンのポケットから黒い革製のキーケースを取り出すと、施錠をひとつひとつ外していく。
 ガチャリ、と鍵の音が鳴るたびに、私の喉もゴクリと鳴った。

 一体、この部屋の中はどうなっているのだろう・・・。
 学校の屋上で盗撮オナニーを常習しているくらいなのだから、自室内では一体ナニを行っているのか・・・・。


 ついに最後の施錠が外れ、ビバリーヒルズ的な重厚なドアが開く。

 
 ああっ・・・!私いまから生まれて初めて男の子の部屋に入るのね・・・!


 などと、身体を利用してもらえる可能性は限りなくゼロに近いことは理解しているものの、一応女子としてドキドキしようと試みたのだが、その努力は呆気なく水の泡と化した。



 なぜならドアが開いてすぐにホワムーが「あああああーーーー!!!」などと絶望的な音程で絶叫したためである。






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