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第3章 　　　

「ぶ、武器・・・・！？」


　今日の私は一生分驚いているに違いない。
　平凡な人生プライスレス、戦争反対、などと考えている間に高級ですねとしか言いようのない玄関ドアをホワムーが開け、


「シノさん、ただいまぁ」


　と挨拶した。


「あっ、お、おじゃまします！」


　ホワムーの背中に続いて汚れた臭いニューバランスのスニーカーで大理石が敷き詰められた広大すぎる玄関の中に足を踏み入れると、テレビでよく観るような豪華絢爛なインテリアが真っ先に目に飛び込んできた。

　ビバリーヒルズ的なゴールドの多い内装。
　壷に絵画に謎のでかい観葉植物。

　そして、突如現れた私の存在を目の当たりにしてごくスタンダードに驚愕している、エプロン姿のおばさん。



「た、た、た、タケオぼっちゃま・・・・！？」



　シノさんというらしい、お手伝いさんと予測されるパンチパーマで黒いエプロンを身に付けたおばさんは私とホワムーを交互に見つめながら今にも腰を抜かしそうな表情で震えながらホワムーに尋ねた。
　

「そ、そ、そのお嬢様は・・・・！？」
「あぁ～、この子ぉ？クラスメイトのタカハシサチヨさん。俺の友達になる子かも知れないんだぁ」
「お、お、お、お、おとも・・・・だち・・・・！？」



　おばさんは目に涙を浮かべながら口元を手で押さえ、よろめきながら踵を返すと、



「あぁぁぁ！！！さ、さ、サクラコ様ぁ！大変です、大変ですぅー！！サクラコ様ぁ！！た、た、タケオぼっちゃまのお友達がぁ！」




　などと叫びながら広大すぎる廊下の奥へと姿を消して行った。
　途中、六本木のホストクラブ開店祝いに届きそうなどでかい胡蝶蘭が生けてある高級そうな壷にぶつかりながら。