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愛しては、ならない
第14章 檻の中の愛
菊野に思いを告げ、身体に触れ、あれから二週間以上経つが、彼女からは何もその事について返事がないままだ。
二人になった時に迫ろうとすると、俺の手に噛み付いた彼女の悲しい顔が蘇り、躊躇してしまい、その隙に逃げられてしまう。
悟志とはいつの間に元通りになったのか分からないが、表面上は以前と同じ二人のやり取りに感じる。
だが、俺はもう二人を今までと同じ様に見る事が出来ない。
夜になると、階下の寝室で悟志が菊野の身体を開き責めているのを想像し、俺はやるせなさと嫉妬と沸き上がる欲に苛まれた。
二人はベッドで抱き合いながら、俺の愚かな恋心を嘲笑っているのではないか、という妄想に取り付かれそうになり、独り歯を食い縛った。
「……くっ」
毎晩、悟志に抱かれる彼女を思いながら自分の欲を自分で放ち、夢の中では彼女を思いのままに犯し、夢から醒めると、彼女の唇や、身体に触れた時の事を思い出しながら自慰に耽る。
掌で自分を握り締め、彼女の中を突き刺す感覚を想像しながら烈しく動かし俺は虚しく呻いた。
「菊野……っ」