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愛しては、ならない
第14章 檻の中の愛
チカチカするカラフルな絵文字一杯のメールに、内心辟易しながら読む。
『剛くんお早う。
今日はよろしくね?
楽しみで、昨夜はあんまり寝れなかったから、クマが出来てるかも……
だから、恥ずかしいから、顔をあんまり見ないでね?
じゃあ、また後で』
「……忘れてた」
思わず呟く。
春休みに入り、俺は毎日の様にクラスメイトと出歩いていたが、今日は清崎と出掛ける約束をしていたのだ。
この家で菊野の姿を目にすると、恋しさと邪な欲望に苛まれ、正気で居られないからだ。
祐樹がまとわりついて来て一緒にゲームをしたりピアノを弾いている時には多少は気が紛れるが、菊野がキッチンで料理をしたり、家の中を掃除する姿がちらつくと途端に集中出来なくなる。