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愛しては、ならない
第15章 檻の中の愛②
惹かれあいながら、年齢差を気にしてヒロインを遠ざけようとする教授と、ひたむきに彼を愛する彼女の姿に、私は自分と剛を重ねて見ていた。
色んな事件や妨害、すれ違いを経て、二人が最終回で結ばれる結末では私はティッシュの箱を抱えて大泣きしたのだ。
隣で一緒に見ていた悟志は笑って私の頭を撫でてこう言った。
「年齢差が、まるで僕と菊野みたいだよね……
僕は、何の障害も無く菊野をお嫁さんに出来て幸せだったなあ……」
私が泣いているのは、ドラマのように都合よく収まらない剛と私の儘ならない関係を嘆いての事なのに、的外れな悟志に内心腹を立てていた。
だが、そんな自分を直ぐに恥じた。
――悟志さんは、何も悪くない。
毎日家族の為に一生懸命働いて、私の事も祐樹の事も大切にしてくれている。
剛さんを引き取る事を許してくれたのも、悟志さんの優しさなのに――