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愛しては、ならない
第15章 檻の中の愛②
――剛さん……
あの子を、好き、なの……?
「……うっ……」
私は洗いたてのシーツを握り締めたまま、俯きしゃくり上げた。
何故、どうにもならない恋をしてしまったのだろう。
私は、悟志さんと結婚して祐樹に恵まれて、それだけで充分幸せだった筈なのに。
祐樹の兄弟を望んだ事が、まさかこんな苦しい感情を知るきっかけになるなんて、思いもしなかった。
知らなければ良かった。
人を好きになる気持ちなんて――
暫く泣いていたが、リビングに置いてあるスマホが鳴っているのに気付き、涙をエプロンで拭い家の中へ入った。
「――もじもじ?」
『うっわ、酷い声!
どうしたの?』
私は、その明るい声に、また涙腺が決壊してしまった。
「ま……真歩ぉ……」
『まさか、泣いてんの?』