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愛しては、ならない
第15章 檻の中の愛②
『んも~!
菊野――!
あんた、結婚して悟志さんていう素敵な旦那様がいるからって安心してお洒落から遠ざかるなんて女として頂けないわよっ!
たまのバーゲンくらい行きなさいよ!』
「ぐ……
らって、いぞがじいも~ん」
『ああ、そっか、今春休みだから子供達がいるのよね……
でもさ、母親が毎日家に居て嬉しがるなんて三才児までよっ!
あの子達だってカップ麺くらい作れるでしょ?
一日くらい、母親業から離れなさいよ~!』
「……祐樹も剛ざんも、出掛けていないぼ……
……クシュン!」
くしゃみが出た私はティッシュを三枚重ねしてまた鼻を咬んだが、また真歩が嘆く様な溜め息とも呻きともつかない声を上げている。