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愛しては、ならない
第15章 檻の中の愛②
「剛君――?」
清崎の大きな目が覗き込み、俺は我にかえった。
いかにも女の子達が好きそうな
"フェアリーカフェ"
という店に来ているのだが、清崎とテーブルで差し向かいに座り、やたらと長い名前のパフェやケーキを前に俺はスプーンを持ったまま考え事をしていたらしい。
「映画、思ったより面白くなかったもんね……
もっと私調べて来れば良かった……
剛君、疲れちゃった?」
清崎は、丸いボンボンの付いた胸元のリボンを指で弄びながら上目遣いで見詰めて来たが、
「なんだか、暑くなっちゃった……
今日、暖かいしね」
と言いながらジャケットを脱ぎ椅子にかけた。
ノースリーブの胸が空いたワンピースで一瞬下着のレースと膨らみが見え、俺は然り気無く映画のパンフレットに視線を移し見ないようにした。