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愛しては、ならない
第15章 檻の中の愛②
「まあ、たまには家でDVDじゃなくて映画館で見るのも気分が変わっていいよ」
俺も実は映画の間、ずっと菊野の事を考えていて全く内容を覚えて居なかったのだが、気を遣っているらしい清崎に笑顔を向けて適当に答えた。
清崎はパアッと表情が明るくなり、パフェのクリームを一口頬張る。
「だよね~!
……でも私ね、男の子と映画行くのなんか初めてで、緊張して全然内容覚えてない!」
「へえ、そうなの?
清崎モテそうなのにな」
俺がそう言うと清崎は、ふと赤くなり、パフェをかき混ぜながら目を潤ませて小さく呟いた。
「初めてだよ……
こうして……デートするのも……
キ、キス……したのも」
俺と目が合うと真っ赤になり、俯いてしまう。
――可愛い……
と思うと同時に、その仕草が菊野とダブってしまう。