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愛しては、ならない
第15章 檻の中の愛②



けれど、彼女は俺の気持ちに応えてはくれない。

それは、当然だろう。

俺は春から高校生になるがまだ十五才で、彼女と血の繋がりはないが、養子に迎えられた子供なのだ。


その子供と、義理の母が恋をするなど、あってはならない事だろう。


菊野は、錯覚だとか、年齢がとか言っていたが、そんな常識や理屈なら、とっくに俺だって知っている。


人は、常識や理屈や建前や理性で、恋をするのか?

そういう面をクリアしないと、恋に堕ちる事も出来ないものなのか?



じゃあ、今の俺の胸苦しさや、眠れない程に沸き上がる身体の熱は何だというんだ?


菊野の声を耳にするだけで、髪の薫りを感じるだけで、その瞳と目が合うだけで動悸が烈しく鳴り、喉がカラカラに渇いたり、掌に汗が滲んだりするのは何故だと言う?


病気だ、お前は異常だ、とでも俺は言われるのか?


俺は、ただ、彼女を好きになっただけなんだ。


大人の癖に子供の様な、そしてどこまでも優しい彼女を好きなだけだ。


その何処が異常だと?


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