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愛しては、ならない
第15章 檻の中の愛②



俺は、祐樹と比較される事が多かった。


菊野の配慮で、中学は地域の学校ではなく、私立の学校へ通わせて貰ったのだが――
祐樹を知っている人間が少ない学校なら、家族関係の事情をわざわざ話さなくても済むだろう、という考えだ。


祐樹とは年齢も離れているし、同級生に出くわして
"こんな大きなお兄さん、居たの?"
という事になる可能性はないのでは、と俺は言ったが、菊野が念には念を入れた方が良い、と、そうしたのだ。



だが、友達が遊びに来たりする度に、皆祐樹を見て可愛いと騒ぎ、俺とそっくりで美形兄弟だのなんだの、それ以外言うことが無いのかと思う位毎回騒いだ。



俺はいつしか、祐樹と似ていると言われる事にコンプレックスを感じる様になっていた。


確かに顔は似ているかも知れない。

菊野が俺を欲しがったのはこの顔だったからだ。


だが、性質はまったくと言っていい程に正反対なのだ。


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