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愛しては、ならない
第36章 愛憎
ズキズキ、と胸が早鐘を打つのを感じながら、彼から顔を背けて洗い物を片付ける。
――貴方と距離を置く。
貴方と恋を囁きあうのをおしまいにする。
貴方を見ても、ときめいたり、ドキドキしたりしないように自分を律する。
自分に課した幾つかのルール。
これを守らなければ、また元通りになってしまう。
いくら距離を置こうとしても、同じ家に住んでいるのだから無理な話なのかも知れない。
でも、無理でも、なんとかするしかない。
貴方の姿を見たり、声を耳にすれば全身が反応するのをどうしたら止められるのだろう?
今だって、貴方を見ないようにしていても、全神経が貴方に向かっている。