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愛しては、ならない
第36章 愛憎


「えへへ――」


友佳は、舌を出して髪を揺らして笑う。

森本はそんな彼女の頭を撫でると、椅子の上に立ち、人差し指を突き出してよく通る声で教室全体に呼び掛けた。



「はーいっ注目!

来週の英語テストに向けて~俺んちでお勉強会するよ――!

土曜日!泊まりに来る人この指と~まれ!」



呆気に取られる俺の目の前で、得意気な顔で宣言した彼の元に友佳を初めとした女子たち10人ほどが群がり、先程の天然パーマの子が一番最後におずおずと寄ってきて、俺をチラリと見た。



「……西本君も……行くよね?」


「え……?」


戸惑い絶句する俺だったが、森本が俺の手を掴み高々と上げた。



「勿論、剛くんも行くからね皆!!

細かいことはまた知らせるから、皆お泊まりの許可を貰ってきてよね?」


「は――い!!」

「うわ――楽しみ――森本くん家――」


女子たちは口々に騒ぎながら散っていった。


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