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愛しては、ならない
第36章 愛憎


「おい……勝手に」


「まあまあ、親睦を深めるってことでさ……いいじゃんか……たまには?

……ばいば――い!」



森本はコロコロ笑い、女子たちに愛想を振り撒き手を振っている。




(泊まりがけで勉強会だって?
俺は――菊野と、一晩でも離れたくない)

そんな言葉が胸の中から溢れそうになるが、彼女の冷たい態度を思い出して、喉の奥に無理矢理その思いを押し込んだ。



(そんな風に思って……焦がれているのは……ひょっとして俺だけなのか?)


いや、そんな筈はない。

俺を好きだと、愛していると、その瞳を、身体を熱く濡らして言ったじゃないか――

そうだろう?

菊野……そうだと言ってくれるだろう?



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