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戦国×ハロウィン
第2章 三本の矢ver.ハロウィン
 


『三個の餅~追加オーディション編2~』



 徳川家康は1573年、三方原の戦いにて、武田信玄に敗北する。家康を逃がすため、家臣達は家康の影武者に志願し命を散らし、最期まで背中を見せずに戦った。

「さて、追加オーディション二人目は……なんと、徳川家康! 随分大物が釣れたな」

「いやぁ、信玄から逃げていたらいつの間にか安芸まで来ていてな。厠を借りたら餅の香りがしたから、つい足を運んでしまったんじゃ」

「ちょっと待て、いくらネタとはいえ、その距離はおかしいだろう。ここは中国地方だぞ」

「まあまあ、とにかくあんこ餅で乾杯しようではないか」

「あ、その餅一個150文だぞ。安芸の人情おばあちゃんが作って下さったつきたてのお餅だからな」

「ああ、あちらに控えていらっしゃるお婆さん方ですな。もちろんお代は払いますよ」

「ふむ、家康はケチと聞いていたが、いざという時の金の出し所は知っているのだな。その金銭感覚は、隆元の穴を埋められるやも……」

「む! この気配……まさか、信玄が追ってきたか!? すまない元就殿、儂は逃げるぞ」

「ま、待て! まだお代を払っていない……って、人情おばあちゃん!?」

「お前さん、無銭飲食とはいい度胸だべ! お代払わんかーい!」

「おばあちゃん足早えぇー!」

――10分後――

「元就様、きっちりお代はいただいてきましたよ」

「お、追いついた、だと!?」




 三方原の戦いで敗走中、腹の減った家康は店で小豆餅を食べた。が、信玄の追撃に気付くと、お代を払う間もなく馬で逃走。だが店主の老婆は走って家康を捕まえ、お代を徴収したらしい。

 なお、老婆が家康に追いついた地点は、その後「銭取」と呼ばれるようになったとか。

 余談だが、当時の馬はサラブレッドより小さく、重い鎧武者が乗れば、さしてスピードは出なかったと推測されている。が、それでも追いつく老婆の脚力はハロウィンの悪霊もビックリだろう。
 
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