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透明な鎖
第2章 秘事
昨日あたしを苦しめた二日酔いは、夕方にはすっかり良くなっていた。
週末はいろんなことがあったけど、今日はいつもと変わらず、大学で授業を受けるだけだ。
「愛奈!」
教室で席に座っていると、あたしを見つけた莉緒が隣に来る。
「あ、莉緒、おは……」
「愛奈、ごめんね!」
……え?
あたしの言葉を遮り、莉緒が申し訳なさそうに謝る。
わけがわからないあたしは、ぽかんと莉緒を見つめるしかない。
「あたしもあの時酔ってて、東條さんに愛奈のこと任せちゃって、ほんとごめん!あの後何もされなかった?大丈夫?」
……あぁ、そんなことか。
莉緒、ずっと気にしてたんだ。
「いいよ。それにあの人、実は高校の時の先輩だったんだ」
「え!?そうなの!?」
莉緒がそう言って目を見開く。