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透明な鎖
第2章 秘事
数回、肌が打ち付け合う音が響いた後、あたしは快感の波に呑まれた。
そのまま、蓮はあたしの中から欲を吐き出したそれを引き抜く。
「シャワー浴びて来い。明日仕事早いから、今日は泊まれない」
余韻もなく、突き放すようなその言葉に、胸がぎゅっと締め付けられる。
……もっと、一緒にいたい。
そばにいて欲しい。
思っていても、口には出せない。
蓮に、『それ以上』は求められない。
「……わかった」
とぼとぼとバスルームへ向かう。
この重い気分も全部、流してしまえたらいいのに……。
シャワーを浴びて、着替える終わると、蓮と一緒にホテルを出た。
別れる時の虚しさには、まだ慣れない。
こんな気持ちになるならやめてしまえばいいのに。
何度もそう思ったけど、それでも、そばにいたい気持ちがいつも上回る。