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透明な鎖
第1章 被虐性愛
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「神崎さん!神崎愛奈(かんざき あいな)さん!」
「……えっ!?はい!」
……危なかった。
大学の講義中。
前に立って出席をとる講師が、あたしの返事に一瞬怪訝そうな表情を浮かべる。
「ぷっ。愛奈、またぼーっとしてる。どうしたの?」
隣に座る友達の莉緒が、そう言って笑う。
ほんとにそうだ。
昨日のことを思い出して、つい意識がどこかへ行ってしまう。
講義中なのに、興奮してしまう。
身体が疼く。
今日も、蓮が欲しくなる。