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第10章 その10

はぁ……。

一通り叱られて肩を落としてしまう。


（なんで紗綾や由妃みたいにできないの、あたし…）涙が滲んだ。

ポンっと背中を叩かれ振り返る。
「きつく言い過ぎたかな。でも、バイトだとしても賃金が発生する以上は仕事だから。」


少し柔らかな声に変わった高崎さんがそう言う。

「それに、平澤さんは真面目だよ。器用さはあんま無いけど、一生懸命やってるから出来るようになるからね」

「………がんばります、あたし」元気が出て笑顔になれた。

「うん、その意気(笑)」
高崎さんも笑う。
笑うと優しくなり、あたしはドキッとした。