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本日もエロ日和なり
第16章 その16
「おい、炊き出しが始まるってよ」
「……ん?ああ、
わかった………」
隣の寝床から田中さん(仮)が声をかけてくれる。
俺はごそごそとテントから出た。
――――ここは都内のY公園。広く緑が豊かな自然公園である。
寒空の下、
ボランティアたちがテントを張り炊き出しを始めたのが見える。
久しぶりに食べ物の匂いが鼻をついた。
田中さん(仮)は炊き出しの時だけは行動が速い。
既に丼を手に取り、
ボランティア女性から箸を手渡されている。
俺は「今日は何?」と訊ねてみた。
「これは何てゆうんだ?
シチューの和風みたいなやつだ」
丼を覗くと豚汁のようだ。
―――3年前に地方から出てきた。
北関東の片田舎出身。リストラに遭い、独身だから都会に出れば何か働き口はあるだろうと考えた。
35歳。
派遣でもバイトでもいいから食い繋ごう。
そう思い出てきたのだが、甘かった。
工場で休みなく働いていたら、
膝を骨折をした。
工場長は見舞いにも来てくれて優しい人だった。
家族経営の印刷工場。
骨折の入院で金は底をついた。
また、働けばいいと考えていた矢先…
胃にポリープが見つかった。
骨折で入院した際に食事を数回吐いてしまい、
検査したところ…
見つかったのだ。
「……ん?ああ、
わかった………」
隣の寝床から田中さん(仮)が声をかけてくれる。
俺はごそごそとテントから出た。
――――ここは都内のY公園。広く緑が豊かな自然公園である。
寒空の下、
ボランティアたちがテントを張り炊き出しを始めたのが見える。
久しぶりに食べ物の匂いが鼻をついた。
田中さん(仮)は炊き出しの時だけは行動が速い。
既に丼を手に取り、
ボランティア女性から箸を手渡されている。
俺は「今日は何?」と訊ねてみた。
「これは何てゆうんだ?
シチューの和風みたいなやつだ」
丼を覗くと豚汁のようだ。
―――3年前に地方から出てきた。
北関東の片田舎出身。リストラに遭い、独身だから都会に出れば何か働き口はあるだろうと考えた。
35歳。
派遣でもバイトでもいいから食い繋ごう。
そう思い出てきたのだが、甘かった。
工場で休みなく働いていたら、
膝を骨折をした。
工場長は見舞いにも来てくれて優しい人だった。
家族経営の印刷工場。
骨折の入院で金は底をついた。
また、働けばいいと考えていた矢先…
胃にポリープが見つかった。
骨折で入院した際に食事を数回吐いてしまい、
検査したところ…
見つかったのだ。