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本日もエロ日和なり
第19章 その19
月曜日、
亜弥は晴樹が近寄ってきたら瞬時に体を別方向へと向けて無視した。


普段温厚な晴樹は(何だよ、
謝ろうと思ったのに)
と珍しく憤る。




2人の交際を知っている他のパート女性が「あれ、
どしたの?ケンカ?仲良くしなよー」
と助言するも「何でも無いです〜」
とスルーする亜弥。


「配達行ってきまーす」
と会社を出た。


「もう!ムカつくなー」


ぶつぶつ文句を言いながら、
アクセルを踏む。


「あ。白木さんトコ注文入ってる……
ちょうど良いや、
癒されちゃおっと」


ちょっとした浮気心のような感情が湧いてきた。



(優しいし、
面白いし………
余裕があるから晴樹とは違うわ。………据え膳食われちゃおうかな……ムードあるHするをだろーな)


亜弥は事務所をくぐった。

「こんにちはー。
タカタ食品………あれ?」

いつものように食材のBOXを持ち、事務所に踏み入れたら人が誰も居ない。


どころか……
ほとんど物が無くなっていた。

「えーーー?何で……………」
亜弥は注文確認のため、
自社へとTELをする。
沙苗が出た。

現状を伝える亜弥。


「え?
注文は……入ってるわよ?一昨日にTELで」

「でもデスクも無いですよ……」

「変ね?移転かしら。
周辺にコンビニある?亜弥ちゃん訊いてみてくれない?」
「分かりました。
食材はとりあえずワゴンに積んでおきますね」

TELを切り、

20メートルほど歩いた位置にあるコンビニに入る。


レジの年配女性に「三軒お隣の税理士事務所に届け物に来たんですが引っ越されたか知ってますか?」
と口を開くと、
「ああ!あそこ、
怖かったよねぇ」
と年配女性は顔をしかめた。

「え……
何かあったんですか?」


「あら、知らないの?
夕方のニュースに出たトコよ。
偽装っていうの?
税理士事務所のフリをした詐欺集団だったらしいわよ。
午前中に警察が来てさぁ、捕まる前に逃げてたらしいわよ。
あたしもね、胡散臭いとは思ってたのよ………
いらっしゃいませー」


年配女性はレジ業務に戻った。


亜弥は震える手を抑えて、携帯を取り出し自社の番号ではなく晴樹の番号を呼び出す。


心臓がバクバクしていた。
亜弥は晴樹の「もしもし?」という、必死そうな聞き慣れた声に安堵した…………





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