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第24章 その24 あれれ、ｺｺにも長編発見☆

そしてその3日後、

遼子の自宅マンションに一通の便箋が届いた。。

夫が帰宅した際に1階共同フロアの郵便受けから回収してきた。


和紙で出来た厳かな印象の手紙。


遼子は片手でお玉を持ち、手紙の裏面を見る。


『笹木唯依（旧姓・桜田）』


「あ。
ホントだった」
思わず声が出た。


3日前に突然強引に退職してしまった唯依。


連絡を取ろうとPCメールを送っても〔宛先不明〕で返ってくるわ、
TELを掛けても〔お客様がお掛けになった番号は現在使われておりません〕と言われるわで困っていた。


会社の誰に尋ねても『同じだ』
との返答で、

遼子は土曜に実家を訪ねてみようか？と考えていた。

コンロを止め、
お玉を鍋に入れて手を洗い封を切る。

〔謹啓
井田遼子さま

先輩、ご心配をお掛けして申し訳ありません。
一筆取りたくて手紙を書きました。
直接会って伝えるのが礼儀と思いますが無礼を許して下さい。

あれから、
夜中坂下くんに送られて家に帰りました。
朝目が覚めたら、
坂下くんからメモ用紙で〔体大切に、元気で〕
と書かれていて…
本当に『ああ、もう良いかな』
と思えたんです。


自棄になった訳じゃありません。
みっともないけれど、
まだ諦め切れなかったの。
すっかり諦めがついて、
以前話していた〔優しい人〕と入籍する運びとなりました。
旦那様になる人は医者で、沖縄に住んでるの。
私は今、既に沖縄に住んじゃってます(苦笑)
20センチ大の虫が居るよ。
遼ちん、
突然居なくなってごめんなさい。
八つ当たりもしてしまってまだまだ未熟ですね。会社にも迷惑をかけたし……
社会人失格ね。
手続きなど部長に会って済ませました。


これから、
こちらで生き直します！
落ち着いたら、また連絡します。会えるなら、会って下さいね。