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本日もエロ日和なり
第27章 その27
『――――ほっ!』
遊は自宅に入り、
リビングのソファーに女の子を寝かせた。
チカラを入れて、ソファーにそうっと置くようにした。


小さいけれど戸建て。


母さんと2人で(もっとも母は仕事で殆ど不在だけど)暮らしている空間に知らない女の子が寝ている。


『どうしよう……
苦しそうにないよね?
貧血とかかな』


遊はハンドタオルを持って来て、
水に濡らして女の子の額にあてた。



すると、女の子が目を覚ました。
『あれ………あれっ??
ここどこ……』



『あ、気がついた。
良かった〜……。
電車降りたとたん倒れたんだよ。
えーと、名前は?』
床に座り込み遊は訊く。

女の子はガバッと起き上がり、
顔を真っ赤にした。
『す、す、すみません!
私……』




『え?』


『あのぅ………
その………倒れたのは多分貧血で………』



『あ、よくあるの?もしかして』


『よくというか……』


『あっ?!病気とか?
やっば、ならやっぱり病院行けば良かったかな』


『違うんです!
あの………月に1回のやつだから』


遊は一瞬ぽかんとした。

『―――あ、なーる…
じゃもう少し寝てなよ。
体しんどいんでしょ?』


『いえ、
他人様のお宅でそこまでは…』
女の子は立ち上がり歩こうとした。
が、一歩あるいてフラフラよろけて転んでしまう。
『きゃあっ』


『うわ!
だ、大丈夫??……もう少し休んだほうがいいよ。
うちは母親とオレだけだし、その母さんは夜勤だし構わないからさ』
遊は女の子の体を支えた。


――――スマートに喋っているものの、
内心どぎまぎしてしまう。

(月イチってあれだよな?……女と関わり無さすぎてわっかんねー)


学校は共学だが、
芸能人が多いため皆個人個人に合わせたスクーリング。

単位制だから、
『毎日同じメンツで教室で女子も交えて話す』『放課後遊び歩く』ってのもほとんどない。


女子と遊んだのなんて中学2年くらいが最後だったような気がする。


付き合ったことはあるけれど、
女子から告白してきたのにオレをアクセサリーか何かみたいに扱うから嫌になってやめた。


周りが冷やかすのも嫌だったし。



アイドルユニットを組んでスポットライトを浴びているわりに、
実生活は地味なオタクだったりする。



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