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刑事とJK
第20章 誘拐事件





高い位置に、小さな窓がある


日が出ている時間帯だけ、
その窓から明かりが入った




しかし日が沈むと部屋は真っ暗になる



拉致られて二日目の時だった





「調子はどう?」


『最悪』


「くくっ、そりゃいいや」



男は何かを手に持っていて、
それをあたしにちらつかせた




暗がりの中、目を凝らしてそれを見る




『あっ、それ…
あたしの携帯!!
返してよ!!』




「まあ待てよ…見てみな、
"斉藤正貴"からメール一件、電話二件来てるよ?」




『斉藤が…?』





「ああ、よっぽど君が心配なんだろうね…
この斉藤ってやつは、君と一緒にいた刑事だよね?」




男はゆうひの顔を覗き込んだ





『だったら何…?』




「くくっ、いい餌を手に入れたよ」




男はゆうひの携帯でどこかに電話をかけた




するとゆうひの携帯から、斉藤の声が聞こえた




『斉藤…!?』



「もしもし?」



《ってめぇ…まさか小泉か!!??》



小泉…



あたし、この名前知ってる…



確か、藤野さんの話に出てきた爆弾狂…


村上さんを…殺した…





あたしは全身に寒気が走った



殺人犯と…あたしは一緒にいる…!!


怖い…、怖い、怖い…

どうしたら…!!




小泉はゆうひの耳に携帯を当てた


『さ、斉藤…!!』



ゆうひは躊躇いなく電話に出た



《ゆうひ…!!》



ああ、斉藤の声だ…




《ゆうひ、大丈夫か!?
何もされてないか!?》



『あたしは大丈夫!!』



《よかった…》



小泉は携帯を取り上げた



「はい、ここまでね」




『あっ…』





小泉はそのあとしばらく斉藤としゃべっていた


そしてあらかた話を終えると
電話を切った






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