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初めて知る痴愛の味
第10章 自分の気持ちに気づく時
11月の中頃のことである

友人からテストも段々近づいてきたということで夏休みの時の様にまた同級生で集まって勉強会を開こうと誘われた
夏休みの時は私の部屋でやったのだけれども今回は友人の家で行われるそうだ
そういえば友達の家に行くのは中学2年生の時以来だなあということを思い出しながら勿論勉強会に行くという返事をした

その日は特に特別なこともなく学校も終わり自宅に着いてから物音一つしない暗い床を見て溜息を吐く

ただ単に疲れから出たものであったが両親の仕事は相も変わらず忙しいらしい
この家に今は一人しかいないと思うが以前の様な息苦しさは無かったそれでも暗い部屋の中には私一人しかいないそう思うことで寂しさが残っているのを意識せざる負えなかった

とりあえず部屋まで鞄を持って行き、着替えるが勉強するには肌寒いと感じたので膝に掛けるものと暖かい飲み物が必要だと思った
再び一回に降りてリビングを一瞥する「今日は紙が無いから早めに帰ってくるのかな・・・」そう呟いて台所に立ち、コーヒーを淹れて階段を昇って行った
その日は結局二人とも遅かったので簡単に作れる小さめの鍋を豆腐や野菜、うどんと一緒に煮込んで食べた
その日もお風呂に入る時と寝る時は自分の気持ちについて考えていたが結局答えなんて出ることは無かった
答えなんて出ることは無かったのだが学校に行くことが自分の楽しみの一つになっていることには気が付いた中学生の頃も楽しかったのだが今は多分それ以上に楽しい

それだけ今のクラスの人たちのことを気に入っているのだと結論付けてその日も早めに寝た

この日と同じ週の土曜日、友達の家で勉強会が行われた
勿論楽しかったし近づいているテストに向けての準備が着々と進んでいることへの安心感もあったのだが学校に行くということへの楽しみとは少しばかり違うのではないか?と思うことはあった・・・一体何なんだろう?


その日の夜もその違和感の為に考え込んでから寝ることになった
それからは特に特別なことが無く日々が過ぎていく大きな出来事といえばテストの科目日程が配られた事だろうか

私は今年最後のテストに向け更にしっかりと勉強をと意気込んでいたため家に帰っても寂しさを感じる暇など無く机に一直線だった

兎に角暗記することが多く大変ではあったが寂しさや自分の心を考えることさえ忘れられたので良かった


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