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初めて知る痴愛の味
第14章 美しい花に添え木を
学校内だけで話すという関係があの事故から冬休みに入るまで続いた
寂しい秋の終わりをまだ少しだけ彩っていた道路も用務員の人に掃除され黒に戻っている残ったのは水気の無い枝の隙間から見える灰色の空だけであった
窓の外は変化が無く退屈で、室内へと目を向ける
目の前には楽しそうに話す柏尾がいて事故が起こった当初よりも大分顔に赤みが戻ってきていると思う
二重の眼はまっすぐ自分を見つめていて、唇は潤っていてこちらに笑いかけてくる
頬は程よくふっくらとしていて首筋から鎖骨にかけてのラインが綺麗だと思うと、自分はそのまま吸い込まれてしまうのではないかと錯覚したのであった
廊下の方から他の先生や生徒たちの声が耳に入って来て私と柏尾とが向かい合って座っている映像が急に頭の中に浮かぶ
はた目から見れば生徒の相談を積極的に聞く先生や同僚として映っていたのだと思う
というよりも自分がそう望んでいたのだが常に自分は学校でこんなことをしているということに罪の意識を感じていた
学校の外でならこのようなことは感じなかったのかもしれないが先生として生きてきて以来、学校では先生として振舞うという教訓を自分へと課していた
それが柏尾と話している時は明らかに水品昭雄個人として、自分は振舞っているという自覚があったし、柏尾菜々に対しては男としての自分でいようとしたのだ
だけれども、ここで自分は柏尾とお付き合いをしているということが周りの人間に漏れたということを想像して再び血にそまった真っ赤で大きな波が自分に覆い被さってくるように思われた
でもこの罪悪感に対してすぐさま自分は心から彼女のことを愛しているのだという反論を口に出しては言わず、頭の中だけで唱えた
だけれども、この反論に対してすぐさま仕事場である学校と私生活とは分けるべきであろうと思ってしまう
こんなふうに自分のことを責めるのは少なくとも仕事の場では今まで真面目な生き方しかしてこなかったのだから仕方がないのだと言い訳をして、ちゃんと自分を納得させる答えを出さない儘に自分は純粋に彼女との会話を楽しんだ
これだけ歳が離れているのだから普通会話も合わないのではないだろうかと思っていたのだけれども彼女がそのあたりに気を遣ってくれている
学校のことを中心に選んでくれているのだなあと彼女のことをますます魅力的に思うようになっていった

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