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ドアの隙間
第4章 頭と心と身体
カーテンの隙間から差し込む光で目が覚めた。義父の姿がない。壁の時計は時計11時。慌てて階段を下りるとコーヒーの香りがする。キッチンに義父がいた。
「やあ、奈津美さん、おはよう」
義父は優しく微笑んだが、私はすぐに俯いてしまう。
「おはようございます。あの、ごめんなさい。寝坊してしまって…」
「いいさ。先にシャワーを浴びてきたらどうかな?」
「あ、では、そうさせてもらいます」
部屋に戻り、タンスから着替えを出し、ふとベッドに目を止めた。昨夜の事は、夢だったのではないかと記憶をたどる。まさか自分が、あんな風になってしまうなんて……
汚してしまったシーツを剥ぎ取り、枕カバーや掛布団のカバーも変えた。夫が帰宅する明日の晩まで、義父と二人でどう過ごせばいいのだろう。夫が帰って来たら、私はどう接したら……
洗濯機のスイッチを押し、バスルームでシャワーを浴びながら、私はどこかで夫の浮気が真実である事を願い、自分の罪が軽くなる事を願った。
――奈津美さん、好きだよ
――もう私のものだ、いいね
私の身体に舌を這わせながら、朝まで愛撫し続けた義父の言葉が頭から離れない。あれは、熱く高まっている時の戯言だろうか…。
そうであってほしい。
そう思いながらも義父の触れた場所が火照りだす。熱く吸われたそこが……
私のものだ、いいね……
熱くなってゆく身体を洗い流し、身体を拭き、鏡に映る自分と向き合った。
揉みしだかれ乳房、舌が這い回った身体、夫の父を受け入れ、自ら締め付けた淫らな身体。こうして自分を蔑みながら、今もまた疼きだす。
身なりを整え、廊下に出ようとドアに手をかけた時、不意にドアが開いた。
義父がそこにいた。