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私は犬
第20章 巨乳への道*
次の予定を組んでお話を終えたところで剛ちゃんがやってきた。

「ハロー。マドモアゼル。らすぷーちん!」

剛ちゃんは何が言いたいのだろう?と云うか、どこの国の人なんだろう……。

「……おはよう。今日もいい天気ね…。」

「わたし、シャワー浴びちゃうわ。ごっきげんよう。」

はいはい。シャワーでもタワーでもお好きにどうぞ。

そう思いながら剛ちゃんが片手に持っているお靴を見てギョッとした。ギョッギョッっとしたが正解かもしれないわ。ま、まさか、あれを履くつもりなの?どう見てもフィンよ、それ。スキューバダイビングの時の足ヒレよ?かろうじて、ヒールが付いてるからハイヒール仕様になっているだけで…。

開いた口がこれ以上広がらないわ。ここまで来ると、クレイジーを通り越えてルーピーね。くるくるぱーよ!

あれこれしながら時間を迎えたので第1営業部へ向かうと、音羽さんは既に机で業務に入っていた。

ああ。今日の植木の水当番は私だったわ。3個だけだから、さっさと済ませなきゃ。と、給湯室に行くと後ろから来た鮎川さんに捕まった。

「おはようございます。」

突然、勢いよく入ってきたから、そう告げたのに。

「ねぇ、ちょっと、その時計見せてっ!」

と、左腕をとられた。いきなり、スッゴい勢いで!なにこれ、怖いっ!

「やっぱり主任と同じだわ。あなた、この時計、どこで買ったの?」

んーっと…。どこだろ?何て言えばいい?答えを間違えたら、とんでもない事になりそう……。

「こっ…これは…。実は…。ネットの懸賞で当たりましたっ!」

どうだ!これでどうだっ!

「見栄を張って、自分で買ったなんて、嘘ついてごめんなさい。」

「……。ふうん…。そうなの。」

信じてない?信じてないの?これじゃ駄目?

「良かったらサイトお教えします。鮎川さんも当たるかも…。」

「そう……。じゃあ、後で教えて。」

大丈夫?これで大丈夫?私、逃げ切った?
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