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私は犬
第25章 罪には罰を*
月曜日

いつものようにモニター越しの女子会を終えた所へ、やっぱりいつものように剛ちゃんがやってきた。

「マンマミーア!ポルカミゼーリア!シニョリーナ。」

朝から、何てこった、こんちくしょうお嬢さんって。そんな挨拶?されても何て返せばいいか悩んじゃう。ここはいつものように我慢、パッイエンツァね……。

「ヴォンジョルノ、コメスタ?」

これで納得してね。なんちゃってイタリア人さん。

「剛ちゃん、私、ちょっと相談があるの。聞いてくれる?」

「もっちのロンよ。急いでシャワー浴びちゃうから待っててね。チャオ!」

この人は何でこんなに朝から無駄に元気なのだろう…。

剛ちゃんは悲しい過去をたくさん持っている。男の身体が嫌で堪らなかった思春期には、人生に何度も絶望したと。共に過ごした休養期間中に、そう話してくれた事もある。何で今は元気で居られるの?と聞いた時、

『わたし、気付いたのよ。冷蔵庫なの人生は。』

と、おば様が時々ご自宅の地下のカラオケルームで歌う、歌の題のような事を言っていた。あっちは確か、浪花節だよ…。だったかしら。

『自分家の冷蔵庫にロクな材料が入ってないからって、そんな理由でご飯を作らないでいても、お腹が空くだけなのよ。』
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