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私は犬
第27章 止めらんねぇ*
豚肉は鹿児島産だと店員さんが言っていた。有史さんは美味しそうに食べているから、豚肉が好きなのかもしれない…。

綺麗に盛られたお刺身やお通し。鍋だけが売りじゃないみたい。メニューには、カマンベールチーズの天ぷらなんて物もあって、びっくりした。有史さんは、こういうお店をどうやって知ったのだろう…。誰と来たのだろう…。

「前にも来た事あるの?」

「ここは有名だからな。」

ふうん…。その返事じゃ、ちっとも、全然探れない…。日本語って、やっぱり難しいわ。探ってる事に気付かれないように、それとなく探る方法って無いの?

「鍋の〆は雑炊だよな。」

と言いながら、器用に雑炊なる物を目の前で作っている。

「私、お米よりお酒が飲みたい…。」

「お前…まだ飲む気かよ……。あぁぁっ、分かったから、むくれんなっ。家で好きなだけ飲ませてやる。」

私、むくれてなんかいないのに…。でも飲ませてくれるなら、どうでもいい。

お腹いっぱい食べて、お酒飲みたさに、とっとと帰った。

「お前さ…。俺以外の奴の前で羽目外して飲むなよ?会社の飲み会とか、そういう席では自制しろ。分かったか?」

「分かった!」

だから早くお酒ちょうだい。
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