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私は犬
第28章 アメリアの夢
「早速だけど、行こうか。移動しながら、軽く打ち合わせをしよう。」

さっき一緒に居た人は何だったのかな…。挨拶しなくて良かったのかな…。まあいっか。

移動はタクシーだった。車内に乗り込むと、早速打ち合わせが始まった。

「九宝は、今日は特に何もしなくていい。何か気付いた事があったら教えて欲しい。」

「はい。」

気付いた事があれば、そうします。

「で、今朝の企画書、あのワインの中に1本だけ調べても分からないワインがあったが、あれは何だ?」

ありゃりゃ。バレちゃった…。

「あれは…。特別なワインです。なんというか、オリジナルです。実は…。」

仲良し5人組の1人、アメリアのお家は米国で映画やアニメの配給会社なんかを興した創業者一族。ひいお爺様が創業者でアメリアはひ孫。

アメリアには、小さな頃から夢があって、それが《曾祖父のようにアニメ映画を作る事》だった。童話を元にした沢山の物語を作って皆に聞かせてくれたし、そういうゴッコ遊びも沢山した。


アメリアとは11歳の時にルームメートになった。毎晩のように童話から物語を空想しては、互いに聞かせあって過ごした。彼女は米国人だけど、他の人達に比べて、有色人種への理解は深いと思う。
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