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私は犬
第28章 アメリアの夢
企画書の5種類めのワインは、身内がフランスにワインの醸造所を持つ同級生が、アメリアの映画のために特別に作ってくれたオリジナル。映画の主人公をイメージしたブルーの瓶に、綺麗なエチケットが貼られている。このワインの日本での権限は、私に一任されている。

今までは、こういう場合、全てをおじ様や孝徳さんにお任せしてきた。でも、今回は自分もきちんと関わりたい。

「と、云う訳で、このワインを売りたいんです。だから、映画の公開前に、ロマンティックなワインをブームにして売れやすい環境を整えたいと考えています。」

「……ふーん…。」

あ、この《ふーん》は、何か考えてるふーんだ…。

私達は表舞台に立つ事が好きではない。それでなくても社交界とか煩わしいのに…。有名になったら騒がれて、自由が制限されてしまう。そんな事はごめんだわ。

リリーなんて、お兄さまが王室の次の次の継承者なものだから、巻き添えでパパラッチに撮られまくりだもの。いつも、『羽目はずしたいー。自由が少ないー。』ってわめいてる。

「私は自分の企画でも、表舞台には立ちたくありません。出来れば陰で見守りたい。この企画が具体化した場合、地味で目立たない事なら、何でもします。」


※ アメリア、リリー、尚紅は架空の人物です。別の映画とのコラボ靴は実在しますが、このオリジナルワインと、人物に付属する物語は空想です。
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