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私は犬
第28章 アメリアの夢
「九宝はそれでいいのか?表舞台に立たないと云う事は、責任を負わないという事だ。企画が成功しても自分が評価されずに、他の誰かの手柄になる。それを理解してるのか?」

「自分で言い出しておいて、責任を負わないのは、申し訳ないと思っています。でも、目立ちたく無いんです…。それが私の企画だと誰にも知られなくても構いません。寧ろその方が助かります。」

「ふーん……。」

また、ふーんって言った。私の考え、何かおかしいかな?それとも…。

「お渡しした企画書に、不備がありましたか?あれば直します。」

「いや。特に見当たら無い。どれも連結会社や提携先なんかを使えば、実現可能だと思う。」

ふーんそうなんだ…。ちょっと安心。

「九宝さ、大学で何を専攻した?」

「経済です。」

「ふーん…。」

何だろう、このふーんは。気になる…。

「成績は優秀とは言えなかったけど。卒業はしています…。」

考えても、今はこれしか言う台詞が思いつかない…。

気まずい空気を救うかのようなタイミングで、取引先の会社に到着した。特に何もするな、と言われたから、有史さんの後を着いていけばいいのかな?

受け付けで有史さんがやり取りを済ませると、応接室らしい部屋に案内された。
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