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私は犬
第32章 我慢の限界*
温かいお湯に身体を沈めながら、いつものように有史さんに後ろから貫かれた。身体はそれなりに反応を見せるのに、心がついていけなくて取り残されたかのよう…。

「気持ちいい?」

耳元で囁く有史さんの声が、頭の中を素通りしていった…。

先週末のような、身体が壊れそうなほどの快感は感じないし。満ち足りた幸せな気持ちも沸いてこない。セックスって何だろう…。よく分からなくなってきた。

後ろから回された手に、クリトリスを甘く擦られ続けて、嫌でも絶頂が訪れる。小さくおマンコが痙攣すると、つられるように中のおチンコもピクピク痙攣した。

入浴を終えて、有史さんの横顔を眺めながら、私達、一体、何をしているのだろうと考える…。考えても答えなんか何処にも無くて。朝食を採るうちに、そんな考えも、頭の中から消えていった。

「なぁ…。今日も稽古いくのか?」

ソファーで、経済紙を読んでいる私の膝の上に、頭を乗せながら寝そべる有史さんがそう口にした。

「行くなよ…。」

どうしよう。行くなよと言われて、それに従ってしまいたい私が居る…。

有史さんは、私の膝に顔を埋めながら、腰に手を回して、もう1度同じ言葉を口にした。
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