この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
私は犬
第33章 さよなら
お爺さんは自分が帰らない時は、犬だけ帰して寄越す。魚が釣れなかったとか。お友達とカードをしてて帰れないとか。ロルフだけ帰される理由は様々だけど、

『ロルフおいで。身体を洗ってあげる。また白い毛まで真っ黒にして…。これじゃゴミと見分けがつかないわ。』

『あの爺さんに飼われたのが運の尽きさね。ロルフだって諦めてるだろうよ。もうすぐ晩ご飯だよ。あんまり遠くに行くんじゃないよ。』


キッチンからお湯を運んで、タライに溜める。湖畔のほとりでロルフの首の駕籠を取り外すと、中には釣り餌の残りのチーズが入っていた。チーズの匂いを嗅ぎながら、ここまで運んできたんだ。食べたかっただろうな。

『ロルフ、チーズ食べたい?』

ワンッと返事をしたロルフに小さなチーズの欠片をあげる。相変わらずの丸飲みだ。

『美味しい?』

と聞くと、またワンッと答えた。嘘つきめ。丸飲みして味が分かるわけないじゃないの。

ロルフを洗い終えると、湖の向こうで遠くの山々が、茜色の空にぽっかり浮かび上がっていた。いつ見ても絵画のように美しい…。

うちにはプライベート海岸ならぬ、プライベート湖岸があって、湖岸には、小さな釣り舟が乗り上げている。

『明日はお爺さんと3人で、お舟に乗ろうか?』

ワンッとロルフが返事をした。
/637ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ