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私は犬
第33章 さよなら
サクサクの馬鈴薯のタルト、大きなキャベツ入りソーセージ、フダンソウやヒヨコ豆のサラダ、マッシュした林檎や果物のグラタンが、白くてフワフワした日曜日のパンと共にテーブルに並んで、2人と1匹で夕飯が始まる。

『エンデのお婆ちゃんも、お爺ちゃんみたいに好きな所に遊びに行っていいのよ。私はもう大きいのだから、お世話は必要ないわ。』

『アタシは、いつだって好きな場所に居るのさ。Maccoが心配しなくてもね。』

『綺麗な景色を見ながら、お料理こさえて誰かを待つ。これ以上幸せな事がこの世にあるなら、教えて貰いたいもんだね。』

『でも、お爺ちゃんは毎日遊び回ってるわよ?犬より酷いわ。お家で待ってて楽しいの?』

『ヨハンだって、アタシがここで待ってなかったら、おちおち遊んで居られないだろうよ。』

『ふーん…。』

『Maccoも、来週もちゃんと帰って来るんだよ。再来週も、その次の週末も。待ってる人がいる場所が、お前さんの家なんだから。』

ああそうか…。エンデお婆ちゃんは、私の事も待っててくれたんだ…。ここでお料理しながら、待ってててくれたんだ…。

『うん。帰ってくる…。』

甘い筈の、アイスの添えられたフルーツグラタンがちょっと塩辛い…。

『そいつのお供にはテが必要さぁね。』

湯気を立てた温かい紅茶が、目の前に並べられた。
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